平成医療福祉グループ多摩緑成会 おうち診療所国分寺
院長 榊原 守 様 / 相談員・診療コーディネーター 西村 崇 様 / 看護師 佐藤 仰輔 様 / 医療事務 大前 牧子 様
平成医療福祉グループ多摩緑成会 緑成会病院
看護師 波多腰 淳子 様
平成医療福祉グループ訪問事業部
課長 柳田 恵佑 様
全国に病院・施設を有し慢性期医療を主体に運営されている平成医療福祉グループより、2024年9月開院予定「おうち診療所国分寺」のオープニングスタッフの皆様がご見学にお越しくださいました。グループの理念の「誰もが、どんな時も、自分らしく生きられる社会の実現」を拡大し、在宅診療を積極的に行っていくことを目指し、熱心にご見学していただきました。
見学後の感想(一部抜粋)
【朝礼】
医師、看護師を含め、多職種かつ俵津の方とのオンラインも含め、同グループの関係者が同じ空間で朝礼を行うことは、初めての体験でした。申し送り時に一人一人の患者さんに全員で同じ方向を向いている姿をみて、毎日がケースカンファレンスのようで、とても贅沢で意義のある時間だと感じました。情報の共有の場としてもとても有効だと感じました。
【診療同行】
患者様に向き合う姿勢や言葉かけ一つ一つが丁寧であることに感銘を受けました。時間をかけて患者様の訴えを傾聴し、患者様を支えている家族の介護状況を聞きながら、ケアマネージャーや訪問看護ステーションなど多職種との方々と、訪問直後に連携をとり方針を検討している様子も拝見し、今後、我々もそれらの取り組みを大切にしていきたいと思いました。
【動画視聴】
在宅医療において、「医療を最小限にする」ことの重要性と難しさを実例から学ばせていただきました。誤嚥性肺炎で、経口摂取が難しいといわれていた患者さまが、スタッフの工夫で食べられるようになる姿に大変感動しました。
患者様の思いを大切にすることを第一に考え、その上で最適な医療をどのように提供すればよいかを検討することが必要なのだと考えさせられました。「亡くなる前になったら点滴をしますか?」「誤嚥をするから絶食でいいのですか?」、これらの問いに安易な答えを出す前に、ご本人やご家族が本当にそれでいいのかという視点をもたなくてはいけないことと改めて痛感いたしました。
亡くなる前から家族に寄り添い家族の後悔や罪悪感を減らすことも大切であり「亡くなる瞬間はみなくて良い」というアドバイスは我々自身が家族の立場であってもその言葉で救われると感じました。「食べられないから亡くなるのではない、亡くなる前だから食べられない」という言葉に、今までの私の看護感にはなかった自分自身の気づきがありました。ただ病気と向き合うだけではなく、また人として自分自身を見つめなおす機会となりました。
【マネージメント】
「我々は何のために在宅医療をやっているのか?」という問いが心に深く残りました。たんぽぽクリニックは、その目的を組織として一致させるため、まず自分たちの想いを言語化し旗揚げし、その上で患者・家族さまが必要だからそれに応じて、必然的に対策・方法を検討するといった順番が徹底されていることを感じました。
①目的と意義を明確にすること、②思い・心が、その人の心を動かす、③最終ゴールを見失わないようにすることを十分確認しながら目標に向かって積極的に組織運営、訪問診療に取り組んでいきたいと思っております。
【食支援】
管理栄養士の居宅療養管理指導について、患者さん毎に実用的な栄養指導を行い、ご家族の負担軽減に繋げられたケースが印象的でした。また、当院でも食べることに対する支援を継続的に行っていきたいと思います。ご提供いただいた昼食は、味やサイズのバランスが素晴らしく、とても食べやすいと感じました。
【医療制度・報酬関連】
「レセプトが通るのは当たり前、厚生局の個別指導で指摘を受けないように日々のカルテチェックを徹底することが大切」という言葉をお聞きし、身が引き締まる気持ちと同時にその通りと実感いたしました。今後、当院も、カルテチェックを医療事務だけの仕事と捉えず、チーム全員で医療制度や算定の知識を身に着け、患者さん・ご家族に最高のサポートができるよう組織体制に整えていきたいと思っております。
【多職種連携】
「なんでも相談室」設立の経緯は、業務の属人化によりサービス提供の質に差が生まれたことと、患者数の増加に対応するためと伺いました。全国からの相談にも対応され、一般住民(介護者)へのアドバイスによる地域貢献やACPのトレーニングのために実施しているとのことで驚愕しました。また、紹介元毎の営業計画の立案や、自院のキャパシティに応じた患者層の調整はぜひ取り入れたいと思っております。
【その他】
2日間に渡り、見学研修を受け入れてくださりありがとうございました。たんぽぽクリニックの取り組みを包み隠さずオープンにしてくださり、非常に有意義な時間となりました。開院してから色々な壁が立ちはだかると思いますが、「なぜ訪問診療を行なっているのか?」という原点は忘れず、チーム全員で1日1mmで成長し続けていきたいと思います。開院1年後には、良い報告ができるようにしますね!今後とも、よろしくお願いいたします。
岩本診療所 こうべ往診クリニック
医療ソーシャルワーカー 朝日 雅稔 様
兵庫県神戸市にある在宅医療専門のクリニック・岩本診療所こうべ往診クリニックから、医療ソーシャルワーカーの朝日雅稔様がご見学にお越しくださいました。
岩本診療所こうべ往診クリニックは、認知症や緩和医療を中心に在宅医療を提供し「かかりつけ医」として地域医療に貢献していきたいという思い、 患者さんとご家族の気持に寄り添いながら住み慣れた環境で穏やかに暮らせるお手伝いをさせて頂きたいという思いで診療をされている在宅専門クリニックです。
見学後の感想(一部抜粋)
【朝の全体ミーティング】
俵津診療所もオンラインでつなぎ、法人スタッフ全員が参加する朝のミーティングに参加させていただき、それぞれの職種・部署が必要な場面で積極的に情報共有をしていたことが印象的でした。法人の理念やそれに基づいた方針を統一し、みんなで同じ方向を向いて支援することに繋がっていると感じました。また、申し送りではタイトルを読み上げ、必要な際のみ補足するなど、限られた時間の中で効率的に情報共有をする仕組みについても学ばせていただきました。
【食支援・kanauプロジェクト】
管理栄養士さんに、貴院で行っている食支援の概要についてお話を聞かせていただきました。特に、それぞれの患者さんの食べたいものを提供するkanauプロジェクトの話が印象的でした。私自身も食べることが大好きで、最期まで自分の食べたいものを食べたいと普段から考えていることもありますが、kanauプロジェクトを機に食べられるようになった人もいると聞き、食支援の重要性について改めて学ぶことが出来ました。また、お話を聞く中で、栄養士と調理師、STなど多職種での連携やチームワークが印象的で、チーム内で互いの職種が信頼し合っているからこそできる支援だと感じました。
【なんでも相談室】
なんでも相談室の医療ソーシャルワーカーの皆さんの支援に同行し、支援の実際を見学させていただきました。クリニックの顔として、相談を受けてから実際に診療を開始するまでをワンストップの窓口で支援していることが印象的でした。実際に患者さんの自宅に訪問し、生活課題をアセスメントする中で、それを解決する手段として訪問診療やその他の支援を調整しチームを形成していく、また、貴院による支援が必要ないとなった際も、別の機関に支援をつなぐなど、ソーシャルワークの専門性に基づいた支援について学ぶことができました。患者さんやその家族の価値観を知るための質問など、すべての質問には意味があると学び、面接技術を高めるという自身の今後の課題についても知ることができました。自身もソーシャルワーカーとして支援を行う中で、単なる調整役となってしまっていたとふり返り、学生時代に学んだソーシャルワークの専門性やそれに基づいた支援について思い出し、原点に立ち返る機会となりました。
また、勉強会「流石café」の開催など、地域への啓発活動も積極的に行っていると学びました。貴院の活動内容や理念を広く知ってもらうことにもつながり、地域にとって、必要不可欠な存在となっていると感じました。
【診療同行】
訪問診療にも同行させていただきました。患者さんの自宅では、患者さんやご家族の話をじっくりと傾聴し、納得できるまで繰り返し説明をしていたことが印象的でした。また、ケアマネージャーや訪問看護師等との緊急カンファレンスにも同席させていただいたのですが、患者さんの支援方針をチームで共有し、チームが一丸となって同じ方向を向いて支援していくために積極的に働きかけを行っていると感じました。質の高い支援を行うための、多職種連携の実際について学ばせていただきました。
最後に、それぞれの部署の方が、見学で来た私に優しく丁寧に接してくださったことがとても印象的でした。貴院の仕事に関する話はもちろん、近くのおいしいご飯屋さんを教えていただくなど、気さくに話しかけてくださり、おもてなしの精神を感じました。
私はまだまだ、在宅医療現場のスタッフとしても、ソーシャルワーカーとしても未熟な身ですが、今回の見学を通して、自身の将来像についても少し考えることが出来ました。学んだことを、当院でも活かしていけるように、そして、地域で生活する人々に寄り添うソーシャルワーカーとなれるように、今後より一層努力してまいります。
社会福祉法人 旭川荘
医師 鷲尾 洋介 先生 医師 溝口 好美 先生 看護師 石谷 美沙希 様
岡山県にある社会福祉法人旭川荘から3名の方々がご見学にお越しくださいました。旭川荘は敬天愛人を基本理念とし、医療と福祉を一体的に運営されています。乳児から高齢者までの福祉サービスを提供。サービスの中には、訪問看護ステーション、ホームヘルパーステーション、居宅介護事業所、障碍者の相談支援事業所などがあります。また、岡山県だけでなく愛媛県鬼北町でも法人の施設と病院を運営されています。昨年から医ケア児、重症心身障害児(者)に特化した訪問診療部を開設されました。
今回は、実際の訪問診療の現場、多職種連携、バックアップ病院との連携を中心にご見学されました。
見学後の感想
◆診療同行では、訪問診療に参加できて、実際的な経験かつ医師、看護師さんとお話ができ、体で感じることができました。医師からは、患者さんの苦痛を取り除くこと、希望を聞くこと、看取りの際に点滴をしないなどを具体的に聞くことができました。
◆講義では、在宅診療の質(=理念×システム×人財)、多職種での情報共有や具体的な運営方法(4人ユニットなど)などを教えていただき、参考になりました。
◆ゆうの森たんぽぽクリニックを知ったきっかけは永井理事長が出版されている「たんぽぽ先生の在宅報酬算定マニュアル」でした。法人内で訪問診療を立ち上げることになり、書店で手に取りました。その後、訪問診療の立ち上げに携わりましたが、体制作り・集患方法・今後の運営方法など立ち止まることが多くありました。その頃には在宅報酬算定マニュアルを愛用しておりましたので、実際に見て学びたいと思い、見学へ来させて頂く運びとなりました。
◆貴院を見学した際、まず仕組み・体制作りに大変感銘を受けました。異なる事業所が同じフロアで勤務されており、朝のミーティングを共有できる仕組み、各事業所別のミーティング、内容の濃さに驚きました。
◆病院の多くは主治医の方針で患者の治療内容が決まりますが、貴院のミーティングは多職種(他職種)の意見も取り入れることができ、一般的なカンファレンスが凝縮されているように見受けました。職種が違うと顔を合わせる機会も少ないですが、対面で話ができるとチームとしても協働しやすいように思います。外来病棟とは違う在宅ならではのチーム医療を感じました。
◆なんでも相談室の室長との意見交換では、当院訪問診療部みらいの強みを生かすようなアドバイスを大変多く頂きました。たんぽぽクリニックを学ぶことが目的でしたが、気付けば我々の訪問診療の相談を聞いて頂いている状況でした。なんでも相談室の「他人の悩み事・相談を自然に引き出す力」を、身をもって感じました。
医療法人ならの杜 たんぽぽクリニック
言語聴覚士 加藤 美香 様
宮城県仙台市にある医療法人ならの杜 たんぽぽクリニックから、言語聴覚士の加藤美香様がご見学にお越しくださいました。医療法人ならの杜 たんぽぽクリニックは、外来診療(一般内科・呼吸器内科・緩和ケア内科)、機能強化型在宅療養診療所としての在宅医療、入院病床での緩和医療の提供をおこなっていらっしゃいます。また、関連施設としてサービス付き高齢者向け住宅、居宅介護支援事業所、訪問看護ステーションも運営されています。この度は訪問リハビリテーションや食支援を中心にご見学されました。
見学後の感想
今回は、施設見学、リハビリ同行の機会をいただきありがとうございました。お忙しい中、スタッフの皆様が見学者である私に対して、とても丁寧にご対応してくださり、患者様・ご家族様以外の方へのホスピタリティ実践という点で大変感動致しました。
【情報共有・多職種連携に関して】
特に印象的だったのが、全部署、全職種がワンフロアに集まってのミーティングです。たくさんの職種の方々で同じ方向を向き、目標、状態を把握し、患者様を支える姿勢に大変感銘を受けました。また、限られたミーティングの時間の中でキーワードを絞った効率よく情報共有するための方法がとても勉強になりました。ゆうの森さんでは物理的にも壁のない環境で多職種の方々一体的に働かれており、多職種連携のあるべき姿を目の当たりにしました。
【kanauプロジェクトについて】
患者様の思いに寄り添った食支援に関して学ばせていただきました。「大きい声で食べたい物が言える人は食べる力が残っている」という先生のお言葉がとても印象に残っています。そして、専門職がどの形態であれば食べられるかを考え、調理して提供するという多職種連携も勉強になりました。みかん狩りや回転寿司の演出など、食を楽しむ工夫も勉強になりました。患者さんを中心とした食べる支援を支える工夫やチームの重要性を改めて学ばせていただきました。
【各職種の診療報酬の理解について】
すべての職員が診療報酬に関して学び、理解しているということに驚きました。今まで担当の職員に任せてしまっていた部分ですが、自身が患者さんに関わり、報酬をいただく上で知らないでは済まされないことだと強く感じました。自身でもしっかりと勉強し、周囲にもコメディカルが報酬を学ぶ必要性を伝えて行ければと考えています。在宅医療テストに関して当院の院長も今後ぜひ取り入れていきたいと話しておりました。
社会医療法人 石川記念会 HITO病院
医師 五十嵐 桃子 先生 看護師 加藤 彩織 様
愛媛県四国中央市にある社会医療法人 石川記念会 HITO病院から、医師の五十嵐桃子先生、看護師の加藤彩織様がご見学にお越しくださいました。HITO病院は急性期ケアミックス型病院で、急性期病棟のみならず、緩和ケア病棟、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟なども有し、Human 1stを行動規範に、「いきるを支える」をコンセプトにされています。地域で患者の"いきる"を支えるため、今後は在宅療養に力を入れていかなければいけないとお考えになっていて、今回、ご見学の運びとなりました。
見学後の感想(一部抜粋)
◆当日お伺いさせていただいた時、朝のお忙しい時間だったと思いますが皆様必ずご挨拶していただいたことに驚きました。見学スケジュールも、全体像と細かな取り組みに関してもお教えいただけ、またこちらからの質問にもお答えいただくお時間をいただきました。感謝申し上げます。ホスピタリティに心打たれました。
◆多職種職員の活用や地域の訪問看護ステーションなど社会資源と切れ目ない連携がなされていること、その結果、患者家族の負担を軽減し、緊急対応システムを構築し在宅医療を安心して提供していることに深い学びを得ました。
◆患者さんの想いを途切れないように、様々な視点から職種関係なく意見が交わされる全体ミーティングの様子、皆さんの姿を通して患者さんにとっての支える医療、治すことの先にある大事なもの、寄り添うことは何かを改めて考えさせられました。
◆朝の全体ミーティングでは、医師のみではなく多職種が活発に発言されていて感銘を受けました。どうしても病院のカンファレンスでは医師の方針を話して終わりがち。人を診る、支えるためには多職種の意見が必要不可欠ですが、当たり前のようにできているところが素晴らしいと感じました。
◆多くの医師が診療をする上で、朝の全体ミーティングが方針決定のために、質の担保のため重要であることを学びました。バックグラウンドも経験年数も異なる医師がチーム診療をする上で、共有が重要であることは想像できますが、実践することはすごく難しいことだと思っていました。実際、見学させていただいてそれができていることを目の当たりにしました。
◆朝の全体ミーティングでの申し送りの要点をついたプレゼンテーションや情報共有画面の記載方法・内容も学ぶことが多くありました。キーワードをあげ、ショートで端的に申し送りをする。そこに、医療行為や患者の医学的な状況だけではなく、患者の気持ちや家族の言葉などキーになるものをあげていらっしゃるのが印象的で、そこからACPに関する議論がなされていました。どの情報が重要か、どの情報をあげるべきかは、共通の言語・考え方がないとできないことですので、そこには質の高い教育があり、それが多職種でなされていることを感じました。
◆管理栄養士さんの「自分達の関わりが、少しでも残されるご家族の癒しになれば」、在宅なんでも相談室のMSWさんの「法人の顔として自分達が動き、関わる。最前線にいる」という言葉に大変感銘を受けました。
◆自身の関わりが患者様や御家族にどういう影響を与えるか、法人としてどうあるべきかを医師、看護師以外のスタッフの方々も自分ごととして考え行動されていることに、「理念」が浸透しているとはこういうことかと実感しました。
◆Kanauプロジェクトは、貴施設のHP等で見聞きしたところはありましたが、実際の取り組みを現場の方々からお聞きでき、感動しました。病院はどうしても嚥下機能低下が低下し、誤嚥窒息リスクが高まると食事を止めてしまう習慣があります。最後まで食べたい気持ちを叶えるために、また形態が落ちたとしても食に対する楽しみや喜びを感じてもらうためにできることがあるということを目の当たりにしました。
◆実際に、ペースト食を試食させていただき、クオリティーの高さに驚きました。味や食感のみならず、見た目も楽しめるように工夫なさっていることは驚愕でした。かりんとうが食べたいとおっしゃられた患者様の、当日帰りにかりんとうを買って帰り、調理師さんにお願いしたたら翌日嚥下食用のかりんとうができていたお話を聞き、患者様と直接対面していない方々もこんなにフットワーク軽く対応されるのか!と驚きしかなかったです。いただいた栄養剤レシピも試して院内スタッフにも共有してみたいと思います。
◆在宅なんでも相談室では、安心、丁寧、迅速をコンセプトに、法人の顔として最前線に立ち行動されていることを聞きました。初回診療に同行し、医師の説明のアフターケアまでされていることには驚きです。新規の受け入れ依頼が来たときに、訪問診療適応があれば医師や理事長の許可を得ずとも受け入れられること、医師との信頼関係がなければできないことだと感じました。患者様の「帰りたい」を実現するため、すぐに行動を起こして病院へ面談に行かれていること、見習うべきことと感じました。
◆家で看取るために、どう医療者が医師がアプローチし支えていかなければならないかを考えさせられました。600名もの患者を診療しながらも疲弊しない訪問診療体制、そこに同じ理念をもち同じ方向を向くスタッフがいることの重要性を感じました。
◆いい看取りには、患者さんやご家族との信頼関係があり、患者さんご家族が限りある命・時間に向き合うことが大事であること。最後家で看取るときには、最期の時を見ていなくてもいいんだよと、事前に伝えておくことで家族の悲嘆や後悔が和らぐことを教えていただきました。より良い看取り、看取りの質を高めることは、残される家族へのグリーフケアにもなり、必要だと感じていたところでしたので、大きなヒントをいただきました。
社会医療法人 関愛会 江別訪問診療所
看護師 本田 日奈子 様 看護師 奥岡 由美 様 看護師 古山 悦子 様
看護師 高田 七奈美 様 看護師 成田 えりか 様 事務 小柳 晴美 様
見学後の感想(一部抜粋)
◆多職種連携での朝のミーティングの大切さ」は書籍でも記されておりましたが、これほど沢山の人数と職種で方向性の共有が行われているのは驚きました。
◆医師が患者さんの家族背景や療養環境まで把握されていることや、看護師やリハビリスタッフからの積極的な意見交換がとても印象的でした。
◆「食支援」についても最期まで食べたい気持ちに寄り沿うケアとして真心のこもった支援を学ぶことができました。調理師さんが見た目も味もこだわった食事を提供し、患者さんの食べる楽しみを最期まで持てるように工夫されていることは医師をはじめとした多職種がその思いを支えていることで実現できていることだと理解しました。
◆看護部長さんからは、患者さんを第一に考える看護を妥協せず貫くことの大切さと、疲弊しない職場環境を目指して努力されていることをお話しいただきました。
ダブルライセンス・トリプルライセンスを有し自分の能力を高めるスタッフが大勢いて、良い相互作用を受ける環境になっていることも、モチベーションアップにつながっていることがわかりました。
医療法人かがやき 総合在宅医療クリニック
言語聴覚士 石川 明奈 様
岐阜県岐南町にある総合在宅医療クリニックより、言語聴覚士兼管理栄養士の石川明奈様がご見学にいらっしゃいました。2009年に開院され音楽療法、食支援、小児リハビリ、小児に特化した医療型短期入所など、ほかにはない、地域に貢献する医療の提供を目指されています。
見学後の感想(一部抜粋)
◆診療エリア分けでの患者把握の仕組みや「なんでも相談室」「スケジューラー」など訪問診療を支える人材が確立されているところが学びの1つでした。
◆「kanauプロジェクト」の同行をさせていただき、管理栄養士と調理師コラボでのおはぎのテイクアウトでの非日常の演出をみせていただきました。日々の生活を支える中でも、非日常での特別感は患者様にとって記憶に残る在宅生活の思い出の1つになる素敵な企画だと感じました。
◆クックラボランチ美味しかったです!ムース食への形態調整も日々の食事提供でクオリティを保ちながらできることもすごいと思いました。
◆自分自身の仕事への向き合い方、姿勢を考える良い機会を与えていただけたことに感謝致します。
医療法人桜十字 桜十字熊本東病院
医師 菅村 公一 様 看護師 佐藤 史 様
事務長 園山 和明 様 事務 村山 真美 様
熊本市東区にある桜十字熊本東病院より、医師、看護師、事務職の皆様がご見学にいらっしゃいました。緩和ケアの在宅復帰に力を注がれており、当院の多職種連携を含めたチーム作りについてご興味をお持ちいただきました。
見学後の感想(一部抜粋)
◆朝の全体ミーティングでは、すべての職員が集合して、NsやMSWなど、コメディカル主体のプレゼンテーションとなっており、伝えたい部分をクローズアップして説明し、共有を図っておられたこと、癌患者さんや重症度が高い方に関しては、予後の単位で分類をされていたことなどを拝見し、取り入れてみたいと思いました。
◆診療同行では、大変気さくにお話ししてくださり、疾患の事から、患者さんの性格、御家族の様子まで把握しておられ、診察も丁寧で、時間内で手際良くノート記載まで済ませておられ、無駄のない診療で、患者さんと向き合う時間を大切しておられたのが印象的でした。
◆食支援では栄養士さんだけでなく、調理師さんが同行して実際に調理され(普通の病院ではまず不可能な事です)、患者さんの希望を叶えられており、コストの点では、多少マイナスはあっても、患者さんの満足度、職員のモチベーション向上に繋がり、能動的な活動が出来ていると感じました。職員一人一人がしっかりと黒子となりサポートに努めていることに感銘を受けました。
◆各々の職員さんがもつ在宅医療への意識の高さが、素晴らしいと思いました。それぞれ担当して下さった部署の皆さんにも、それぞれのストーリーがあって、クリニックの理念に共鳴しているところがあり、それが組織を作り上げているところに感銘を受けました。
・仕組み作りが大変参考になりました。無理をして当たり前という空気感を変え、継続して診療を続けられる仕組みを考えていきたいと思います。
◆患者様には医事課・事務は直接お会いする機会も少なく、質問を受けるのはどうしても訪問する職員が多い状況で、質問に回答できる職員は得られる信頼が大きいという永井先生の言葉に、モヤモヤが取り除かれた感覚があり、しっかりと学ぶ必要があると思いました。
◆帰宅前には、永井先生の「ニャーのポーズ」で和ませていただきました。こういう、少しほっとする感じが出せるところも、真似できればよいなと思いました。
医療法人社団ひなた ひなた在宅クリニック山王
医師 金盛 将之 様 看護師 甘田 三樹 様 看護師 平井 理美 様
総務 佐藤 唯衣 様 総務 持田 寿光 様
2019年に開院された東京の『ひなた在宅クリニック山王』より5名の皆様がご見学に来訪されました。品川区・大田区を中心に慢性期から終末期の患者様まで診療され、特に終末期ケアに力を注がれています。今回は、医療職のみならず事務職の方にも来訪いただき、患者情報の管理やITツールの活用方法等に関してもご見学されました。
見学後の感想(一部抜粋)
◆見学を通し、どの部署の方も一貫して気持ちの良い挨拶をしてくださったのが印象的でした。「人として」のマナーや態度が素晴らしいなと感じました。クレドにより職員の目指すべき方向性や法人として大切にしていることが浸透している証だと感じました。
◆なんでも相談室はクリニックの顔で窓口であること、全国からの相談に対して丁寧に対応されていることに感銘を受けました。
◆キントーンの運用については、私共が目指す将来像を見た気がしました。理念の実現のために、どのようなシステムが必要となるのかを検討し具現化しているように感じました。データ集計を行い、患者数の調整や依頼件数等の把握、営業アプローチの検討を行っていることは当院でも取り入れたいと思います。
◆問題に対してチーム全体で取り組むことが重要であることを学び、実践したいと思います。
◆看護師の離職や疲弊が予防できるよう常にフォローする意識を持つこと、無理をさせないこと等、日々業務に追われる中でこのような意識を持ちたいと刺激を受けました。
◆多職種で連携できるよう各部門が責任を持って情報を処理すること、理念を実現するためのシステムを活用することで方向性や意識の統一が図れることを学びました。
◆「医療の資格がない人でも患者様を支援できることはある」という言葉に胸を突かれました。当院でも様々な知恵を出しながら支援できることを模索していきたいと思います。
◆初診カルテに記載されている内容が細かく網羅されており、初見でもイメージしやすく、情報連携の精度が高く、とても参考になりました。
◆様々な医療職が一丸となり対応にあたることで、クオリティの高い医療技術の提供ができ、チーム内でもスキル向上が望めるものと感じました。
◆患者様のやりたいことを支援する試みについて、一人の患者様のために多くの職種のスタッフが力と知恵を合わせてサポートしている様子に感動しました。患者様の食べたいものをムース食で作られており、その見た目の完成度に調理師・管理栄養士の創意工夫が感じられました。
◆「患者様の生きがいをサポートする」ことを実際に行動に移し、職員の方々も楽しみながら実践されているところに、法人としての患者様への思いの強さや信念を感じました。
◆「5つの呪文」を職員に配布したところ、見やすくて、重要なポイントが盛り込まれていて有難いと喜ばれました。
◆今回の見学を通じて、非常に有意義で、そして良い意味でのショックと刺激を受けました。ありがとうございました。
東京ふれあい医療生活協同組合 梶原診療所 山本 陽介 先生
東京都北区にある東京ふれあい医療生活協同組合 梶原診療所から山本陽介先生がご見学に来訪されました。梶原診療所は、内科外来と訪問診療を併設されており、近隣に関連施設の認知症外来専門のオレンジホットクリニックなどとも医師の行き来をされているそうです。訪問診療では現在200名以上の患者様を抱えられており、在宅医療専門医プログラムにも参加されています。今年の2月にも、他のドクターが当院をご見学されました。
見学後の感想(一部抜粋)
◆永井先生との直接のお話の機会も設けていただき、誠に感謝しております。私自身が理想的と感じる自然な看取りに関してのご意見も直接いただき、運営のための日々の取り組みも伺え、非常に学びの多い研修にさせていただけました。
◆書籍で確認はしていた内容も、実際に診療の際の動きやお考えを伺ったことで、より日々の診療に具体的に落とし込むイメージや裏付けをいただけました。どういった診療が在宅医療として継続性があるかというお話しが伺えて特によかったです。
◆永井先生の"急性期病院の医療を在宅に持ち込まない"診療を拝見して、自身の診療の背中を押していただけたような気持ちになりました。
◆朝の始業時から、組織全体の統制や方向性の指針とも言えるクレドなども拝見し、車中でのお話でも先生のプロフェッショナルとしての意識から、私自身の日々の診療もさらに気を引き締めて行なっていくべきだと感じました。
◆臨時往診の際の対応に関しても迅速に行われており、普段の診療の様子を多く拝見できて非常に満足のいく見学でしたが、午後も系統だった見学のスケジュールを調整いただき、見学者に対するホスピタリティも高いことに驚きました。
◆「在宅なんでも相談室」の運営への関与なども(一常勤医師の立場ですが)日々問題意識を感じていたため、非常に参考になりました。都内でも訪問診療の新規開業は多く、一定の認知や活動を行わなければ、紹介患者の偏在化を生じてしまうことは同様の状況と感じています。現状に甘んじずにデータ収集や活動をされているご様子は、今後自身で勤務する際にも意識して組織全体を見るための学びとなりました。
◆自身が愛媛県内で勤務していた際には救急科であったため、交流は少なかったものの、こうして県外に出た後で、貴院の活動を拝見して、「あの方は紹介させていただいていれば・・・」と感じる患者様もいましたが、自身でも情報収集をしておくべきだったと感じました。
医療法人潮かぜ会 露木 久則 事務長
2010年に開設され、神奈川県の横須賀・逗子・葉山・三浦全域をカバーする『医療法人潮かぜ会』から露木久則事務長 様がご見学に来訪されました。訪問診療を中心に外来診療も含め、患者様とご家族様に「安心を提供する」を念頭に日々寄り添える医療を提供されています。今回は、看護師の役割や多職種の必要性、情報共有の在り方などを中心にご見学されました。
見学後の感想(一部抜粋)
◆今回は、お忙しいなか施設見学と意見交換の場を設けて頂き誠に有難うございました。 一般急性期病院での勤務が長かった私にとって在宅医療は新たな分野でもあり、また これからとても重要な役割を担う分野であると実感。そこで全国的にも知名度の高い医療法人ゆうの森様を見学できた事は、これからの自分の役割を改めて確認する事ができました。
◆永井理事長の「24時間365日対応しながら職員が疲弊しない組織」この言葉がこれからの在宅医療を支える為の重要な言葉であると実感いたしました。
◆当院は訪問同行に関し、看護師ではなく事務スタッフが同行、夜間のファースト コールも事務スタッフで対応しておりますが、看護師による同行のメリット、また電子カルテをあえて持参せずに対応する姿勢、そこには "患者の気持ち、患者からの期待"に応えることが出来る医療を目指す貴院の姿を見ることができたと感じました。
◆点滴して栄養を確保するのではなく、食べたい気持ちに応えること、管理栄養士さんや調理師さんの努力のすばらしさ、患者さんが食べれた喜ぶ姿を見た時に、患者さんのQOLを大切にされている姿勢に涙がでる程の感動を共有することができました。
◆患者さんを一人の人として診るのか?単なる症例として扱うのか?その違いを目の当たりにし、在宅医療の素晴らしさを実感することが出来ました。
◆今回の見学を通し、他職種連携の必要性、医師や看護師の連携、それを支えているスタッフの皆さん、すべての職員がそれぞれの業務をプロフェッショナルとして担い、チームとして連携されている姿を当院にも浸透できるように取り組みたいと思いました。
◆お忙しい中、色々と教えて頂き本当に感謝致します。医療を必要とされる患者さんの「最後の砦」として信頼されるよう努力したいと強く感じました。本当に有難うございました。
札幌在宅クリニックそよ風・白石 和田 吉生 院長 島奈 津美 看護師
札幌市白石区に2023年4月に開院した在宅医療専門クリニック『札幌在宅クリニックそよ風・白石」から和田吉生 院長と看護師の島奈津美 様がご見学にご来訪されました。札幌市清田区にある札幌在宅クリニックそよ風の分院(サテライト)として開院され、24時間365日、患者様の暮らしに寄り添い、安心して心豊かにいられることを支援したいと願い、日々の診療に励んでいらっしゃいます。
見学後の感想(一部抜粋)
◆20年超にわたり在宅医療を展開し、組織も大きくなっている貴院において、職員にどのように理念を浸透させ、仕事の方向性を揃えているのか、大変興味を抱いておりました。朝のカンファレンスにその方策の一部を垣間見ることができました。当院はまだまだ小さな組織ですが、6月以降、新規入職者が増えているため、職員みんなで新たなクレドを作成し、日々確認を行いながら、理念の浸透に継続的に取り組みたいと思います。
◆私も院長職に就いて改めて「在宅医療は人に始まり人に終わる」ということを強く実感しています。住み慣れた場所で暮らす患者さんとご家族の幸せを支えるためには、患者さんの願いや希望、不安や恐怖にしっかり向き合う必要がありますが、そのためには職員の心の充足、職員の幸せも大切です。職員にここで働き続けたいと思ってもらえる職場づくりのヒントを、貴院の取組や職務体制の構築から得ることができました。身体的、精神的に少し余裕をもって働ける環境を整えたいと思います。
◆永井先生が「良いことをやっているという自負があるなら、ぜひそれを発信するべき」と仰ってくださったことが強く心に残っています。対外的な取組を行うこと、自分たちを知ってもらうこと、そして外からの情報や人材を取り入れ、常に活気と刺激のある職場を維持すること。継続するのは大変なことですが、これもぜひ当院で見習いたいと思います。
◆今回、貴院を見学させて頂いて、自分たちの進もうとしている方向性が、間違っていないということが分かり、大きな勇気をもらうことができました。
◆朝のミーティングに参加させて頂き、クレドを導入し朝のミーティングで読み合わせ、職員が忘れることなく常に志すことができる仕組みは、皆で同じ方を向き同じ方向性を持って仕事をする上で必要なことだと感じました。
◆今回私は貴院の先生方の動きも拝見したいと考えておりましたが、私も診療の帯同看護師という立場から、同じお立場の看護師さん方の動きを一番楽しみにしておりました。看護師さん方と先生の関係性も良く、お互いに信頼し相談しあえる関係だからこそお互いの意見を出し合い、患者さんにとってより良い状態とはなにかを話し合えるのだと感じました。
◆診察にはPCカルテを持ち込まず、その場でカルテ記載をしていないのが私の中では1番の衝撃でした。その場でカルテ記載をしないということは、診察の間しっかりと患者さん・ご家族にだけ向き合える時間になっており、メリットデメリットはあるかと思いますが、その状態に共感し当院でも仕組みを検討しようと思いました。
◆「Doing」 (施す)のではなく、「Being」(寄り添う)べき」や「穏やかな死を医療が邪魔しない」というお言葉は、診療行為を優先しがちになってしまいがちな医療現場の問題点であり課題であると感じ、その場で思いつくできることでなくやるべきことを医療者本位でなく、患者さん本位で考えていこうと思いました。
日揮株式会社、株式会社上田電子開発の皆さま
全国各地で病院、健診センターなど数多くの先進的建設プロジェクトを展開していらっしゃる日揮株式会社から2名様、松山市で医療系クラウドシステムなどのシステム開発を行っている株式会社上田電子開発から2名様がご見学にご来訪されました。
見学後の感想(一部抜粋)
◆目に見えない色々な境界線をスタッフの皆様が発想し、協力して一歩、二歩、三歩と越えていく(はみ出していく)意識と実践が素晴らしいです。大きな病院も見習ってほしいです。
◆病院に勤めていた時に、様々な「エゴ」を見てきましたが、そのエゴの一つ一つをクリアされ、質の向上につながっていることに皆様のすごさを感じました。
◆死とどう向き合うか、向き合うための準備と体制の構築は大変だったと思います。その為には心のゆとりを考えたシステム、疲弊しないためのシステムの構築があるからこそ、高い質を維持できていると感じました。「誰も無理をしないこと」、その重要性について再度確認できました。
◆朝の全体ミーティングに参加させていただき、現場の空気感と皆様の意識レベルの方向性を合わせようとする姿に、対面でのミーティングの重要性を改めて認識しました。
◆ITシステムに関する情報を詳しく説明していただきました。10年以上前からITシステムの重要性、インターネット環境化のツールの活用などに取り組まれていたのには、とてもすごいと驚きました。
◆永井先生の動画を拝見して、まず在宅医療の仕組み、制度について、とても詳しく把握されて、それをわかりやすく動画や資料にまとめられている事、すごい労力を割いてまでも実施されている点には敬服致します。在宅医療の仕組みや制度をわかりやすく患者様や家族様に説明、お話している姿にも、この事業にかける永井先生の思いが伝わってきました。
◆理念を全体で共有しながら日々変化し成長することが大切であることがよく理解できました。そして、その活動や内容を多くの人に知っていただくためにも、あらゆるメディアやツールを使って発信することができて初めて認められること、私の事業にも当てはめて考え直していきたいと感じました。
◆「理念・システム・人材」の考え方は、おそらく一般企業にも当てはまるところがあり、特に「理念」というところについては、人数が多くなればなるほど、方向性や意識の統一が難しくなってくるところだと思います。毎朝のミーティングで、情報だけではなく時間や空気も共有することで、参加者の意識の改革・変革に成功しているのはすごいと思った。様々な事柄に対して、役割や必要なことがはっきりしていて、しかもわかりやすく文章化されていることも、理念の共有化、浸透に役立っていると思った。
◆「ゆるやかな主治医制」や職員が疲弊しない仕組みを構築して実践することで、患者の方にも優しくできる、「いつでも相談してください」という言葉は、自分に余裕がないと言えない言葉だと思うし、自分に優しくできないと他人にも優しくできないと思っているので、とても良い制度、仕組みと感じた。
◆在宅医療を通して地域を良くしていくということで、医療が患者やその家族だけではなくより大きな共同体も良い方向に変えていく・変えていける可能性を持っていることを認識できた。
いとう歯科 伊藤充孝 院長
高知市にある「いとう歯科」から院長の伊藤充孝先生がご見学に来訪されました。一般歯科診療をされながら、毎日訪問歯科診療もされていらっしゃいます。「今後、もっと訪問にシフトしていき、少しでも多くの方の力になりたい」との強い想いから、今回の当院ご見学の運びとなりました。
見学後の感想(一部抜粋)
◆私の見学の目的は、医師看護師とそれ以外の多職種の大勢のスタッフがどのようや役割、責任、システムで動いているか、実際の訪問診療がどのように行われているか、でした。いい物は貪欲に吸収するつもりで臨みました。
◆朝のミーティングは、オフィスで働く方々の迫力、活気、エネルギッシュな動線の交差、多職種間に飛び交う意見に感動を覚えました。開業をしていなければ「ここで働きたい」と純粋に思いましたので、自院もそうなるよう創り上げないといけないと課題を認識しました。
◆なんでも相談室の「病院回り」には現在地に胡坐をかかない姿勢に感嘆致しました。経年的に各部署の顔ぶれが変わることや、どこから紹介を受けたかがデータとして一目瞭然となり狙った所に「営業」を掛ける大事さを知りました。
◆訪問診療に同行させて頂きました。患者さんやそのご家族への配慮と明るく振る舞われ患家と一体になる診療のご様子を目の当たりにしまして、自分の日頃の訪問診療も決して間違っていなかったと自己採点できましたことは大きな収穫でした。自分が患者だったら?こういうマインドの医療者にみてもらいたいです。また、車中ではずっと疑問としてくすぶっていた人工呼吸器離脱のお話も聞くことができました。看護師さんの優しさ、目の配り様は当院スタッフも見習うべき姿勢として帰高翌日の院内で真っ先に伝えた話題となりました。
◆言語聴覚士さん、歯科衛生士さんには実際の患者さんについて有意義な意見交換をすることができました。基礎疾患の病態を念頭に誤嚥をしていても肺炎にさえしなければいいことで意見の一致をみました。
◆管理栄養士さんには食支援の貴重な動画の解説をして頂きました。「最期まで食べる」を叶えるため必然的に多職種が一枚岩になって連携することの真骨頂でした。震えました。(途中ちょっと泣いたかもしれない…)
◆永井先生とお話をする時間も頂きました。「いくらいいことをしていても発信しなければ人は来ない」との言葉、心に刻みました。良い活動をして発信すること、スタッフが疲弊しないシステムは急務と思われました。目の前の患者さんにベストを尽くし、その先にある地域、文化も変えていくお話には感銘を受けました。旧態依然の歯科の常識を変えていきたい思っておりますのでエールをもらった心境です。
◆このような見学の機会を設けてくださいましたことに心から感謝申し上げます。ゆうの森さんでの出会いも高知の歯科医療を変える一つの燃料、栄養となったことは間違いありません。本当にありがとうございました。
当院ご見学、一週間後のご様子
◆見学で刺激を受けたことを衛生士に伝え、改めて当院の今後の方針内容(訪問歯科と摂食嚥下障害の診療)を確認しました。高知のじーさんばーさんの安全な食を担保するため、高知の歯科を変えるため、今後も力を貸してくれよ、と。
◆『さいごはおうちで』『おうちに帰ろう』を計10冊購入しました。衛生士に熟読するよう言いました。テストをするよ、とも。えー!っと言って嬉しがっておりました。
◆永井先生に教えて頂いた高知で訪問診療されている医師に面会のアポイントを取りました。真の意味で医科歯科連携、多職種連携が進む建設的なお話ができるはずと思います。新たな一歩です。
星の岡心臓血管クリニック 藤井昭 先生
愛媛県松山市にある「星の岡心臓血管クリニック」から藤井昭先生がご見学に来訪されました。循環器疾患を中心に一次予防から二次予防、終末期の緩和医療まで、外来・入院・訪問・リハビリテーションの4つの部門に分かれて診療を行っていらっしゃるクリニックです。
見学後の感想(一部抜粋)
◆朝のミーティング
挨拶から始まり、全員が一つにまとまっている一体感を感じました。
その基礎には患者さんへの想いを感じます。在宅診療においては解決が難しい問題を多く経験しますが、みんなで相談し、結論は出なくても、そのプロセスを大事にしておられ、患者さんを支えられている姿が、まぶしく感じました。
◆意見交換
情報共有に関して担当事務と「なんでも相談室」の相談員と意見交換をしました。
患者さんらしい最期を迎えるために、より満足したよりよい形を常に追求している姿勢をそれぞれの立場から教えていただきました。
◆昼食
エビのぷりぷり感が半端ない焼きそばでした。
食支援に力を入れられているクックラボの力を感じました。
◆法人理念について意見交換
永井先生との意見交換での私の率直な感想は、在宅医を始めたばかりの私にとって、その道筋を示してくれる内容でした。特に在宅医療から医療を変え、地域を変え、文化を変えるということと場を強く心に残りました。
その根源には患者さんがどんな最期を迎えたいのかを中心に、地域医療の最後の砦となり、困難から逃げずに一緒に考えていく姿があります。
多死社会において死に遭遇する機会が多くなっております。医療は生を診ることを追っていた時代であったが、死を診ることにも目を向ける必要があると常々考えています。
ひとりひとりの人生、長い歴史が終わる瞬間である死に対して想いを向けることは尊いことであると同時に、人生の先輩であるその方の人生を尊重することとなります。看取りの質を高めるという言葉が深く心につきささりました。
◆見学を終えて
1日の見学でしたが多くのことを学ぶことができました。これからの診療にいかしていきたいと思います。最後に、多くのスタッフの皆様に親切に対応して頂き、最初は緊張していましたが、最後は楽しく過ごすことが出来ました。ありがとうございました。
奈良県立医科大学 森克斗 様 安納悠馬 様
奈良県立医科大学の森克斗様と安納悠馬様がご見学に来訪されました。
公衆衛生をご研究される中で、在宅医療に興味を持ちはじめ、YouTubeで在宅医療についてわかりやすく解説している永井先生のチャンネルに辿り着いたそうです。そして在宅医療や多職種連携についてより深く理解したいという思いから今回のご見学へと繋がりました。
見学後の感想(一部抜粋)
◆今回の見学で、授業では普段あまり学ばない多くのことを学ばせていただきました。
今まで見学させていただいた在宅クリニックでは朝のカンファレンスを多職種での合同で行っているところはなく、新鮮で感激しました。
朝の多職種によるカンファレンスが行われているからなのか、スタッフみんなが、実際に患者さんに一番良い医療を提供することを最優先に考えていて、またお互いの職種への理解と配慮ができていて、雰囲気の良い職場だと思いました。
◆有床病棟を持つことで、受け入れる患者数を増やし、法人全体の経営をうまくしていることが理解できました。沢山の職種の人を雇用し、経営していくスタイルが他の医療機関でも再現可能なのかということをもう少し研究したいと思いました。
◆公衆衛生学を勉強する中で、多死社会がすぐに訪れる為、国政として訪問診療が大きく注目されていることを知り、たんぽぽクリニックを知るに至りましたが、今後とも発展が期待される訪問診療の現場を見学させていただき感謝しています。
◆今回の見学では在宅医療や看取りについて多くを学ばせていただきました。
見学を通して感じた たんぽぽクリニックの最大の特長は、多職種での連携がしっかりと図られていることだと思いました。東日本大震災の支援を行った際に、リハビリやマッサージなどが喜ばれた経験なども、多職種で訪問診療を行うきっかけになったことを知りました。多職種が連携をすることで、様々な課題に多面的に関わることができ、患者・家族の安心を目指すことができます。
◆季節に合わせた催しや、多種にわたる勉強会などの様々なイベントの開催も行っておられ、「究極は街づくり」を目指されているのが素晴らしいと思いました。
在宅医療学生団体hoMedの皆さま
在宅医療学生団体hoMedに所属する大学生5名がご見学に来訪されました。 在宅医療学生団体hoMedとは、在宅医療に熱い思いを持つ学生が活動を通して互いを磨き合える環境を作りたいと考え結成された団体です。 在宅医療に熱い想いを抱いてらっしゃる大学生が全国各地から愛媛・松山の地に集って来られました。
見学後の感想(一部抜粋)
◆患者さんの生活に寄り添うためには、知識を持つことはもちろんのこと、患者さんの普段の生活をしっかり把握して患者さん目線で考えるということが大切であると感じました。
◆たんぽぽのおうちのロビーが印象的でした。こちらのロビーは、たんぽぽのおうちにいらっしゃる患者さんのご家族が出会って様々な話をし、悩みの共有・解決の場にすることを目的に設置されたというお話を聞き、そのような発想に驚きました。そのような場を医療機関から提供していらっしゃることに、感銘を受けました。
◆在宅「専門」クリニックを開くにあたる永井先生の思いに心を打たれました。永井先生の思いである「医師の都合ではなく、患者の都合で医療を提供する」ということに、私が目指している医師像が共通していたのですが、貴院ではスタッフの疲弊を防ぐシステムづくりをされ、理想だと思い始めていたこのことを実現されていることに驚きました。
◆貴院の職員さんは法人の枠を越えて他の職種の方のことをリスペクトしているような気がしました。こうした姿勢があるからこそ、よりよいケアを追求できているのだと思います。
「なんでも相談室」相談員の説明で多職連携は1+1=3になるというお話がありました。訪問でのこの体験を通じて、1+1=3の意味を実感できたような気がします。
◆管理栄養士さんや永井理事長のお話を聞いて、普段あたり前のようにしている「食べる」という行為がいかに幸福に寄与していたのかということを考えさせられました。
◆早い時期から在宅医療専門クリニックとして設立され、在宅医療と言えば「たんぽぽクリニックさんでしょう」と言われ、貴院に行けば、何か在宅医療の原点が見えるのではないかと思い、訪問させて頂きました。探していたその原点は、永井先生の情熱であり、固い意志であり、覚悟であり、実行力であると思いました。そして、そこで出会ったのは人と様々な取り組みでした。
◆永井先生から「若い内から在宅医療のことを知って興味を持ち、目指しているなんて自分の頃には考えられなかったよ」と言われましたが、それはこうしてここでその礎を築き、継続し、発信してきて下さった先生方がいらっしゃる恩恵を私達の世代が受けていることに他なりません。
◆朝の全体ミーティングに参加させていただいたところから、自分には衝撃がありました。1日の業務内容をオンラインと職員全体で「情報共有」をしていることを目の当たりにして「多職種連携」を実践していることに驚きがありました。今まで、「多職種連携」とは何となく患者さん1人を多職種で連携するというイメージしかありませんでしたが、全体ミーティングに参加してみて「多職種連携」のイメージががらりと変わりました。
◆患者さんたちはおだやかに診察を受けてられていて、自身の病状についても生き生きと話されているのを見て在宅医療は診療の原点になるものであると感じました。またドクターたちの言葉使いや聴診器の当て方なども見ていて、優しく行われていることを側で感じることができました。
◆初めて訪問リハの様子を見学させてもらいました。とても貴重な経験をさせていただきました。理学療法士さんがいろんな話をしてくださいました。その中でも「やりたいこと支援」の話が一番心に残っています。末期がんで余命宣告をされている患者さんが、やりたいこと支援を通して、やりたいことを叶えた後に元気な状態にまで復活した事例もあるということを聞いて、なるほどそんなこともあるんだなあと思いました。
◆医療者として、患者さんの身体の機能だけを見るのではなく、目の前の患者さんがどんな人生を送ってきたのか、その人が大事にしてることは何なのか、最期をどんな風に迎えたいのかなど、医療者である前にまずは一人の人間として対峙していくことが、本当の意味での"生きる"ということを支えることが出来るのではないかなと感じました。
◆自分1人でやれることには限りがあるからこそ、いろんな専門性を持った人が協力して一つの物事をやり遂げる。そのために多職種連携が必要なんだなと感じました。
徳島大学医学部医学科 下野貴裕 様
徳島大学医学部医学科の下野貴裕様がご見学に来訪されました。以前当院をご見学いただいた方からのご紹介もあり、「是非とも在宅医療の現場を知りたい」との熱い想いをもって、医師だけではなく多職種と交流をされました。
見学後の感想(一部抜粋)
◆朝の全体ミーティングで最初に感じたのは、皆さんが1つにまとまっておられるということです。ミーティングは医師だけでなく、看護師から管理栄養士、事務の方々を含めたすべての職員さんで行っておられました。全ての職種で方針を固め、統一し、皆さんで1つの所に向かっておられるように感じられました。
ミーティングルームにはパーテーションなどの区切りや壁が少なく、職種間での意思疎通がしやすいように施設内にも工夫がなされていました。
◆永井先生と診療の同行もさせていただきました。
永井先生の診察を見てまず感じたのが「ご近所さん同士のようであること」ということです。永井先生は淡々と診察のみをされるのではなく、患者さんの会話をしながら診察をされていて、患者さんと心が打ち解けておられるように感じました。
患者さんは永井先生に心を開いておられ、薬を飲むことを疎かにしてしまっていることや、飲んではいけないと言われていた栄養剤を飲んでしまっていることまで正直に何でも話しておられました。
◆永井先生との意見交換の時間も設けていただきました。
その中で、たんぽぽクリニックがどのような医療提供を目指しているのか、医師をはじめとする医療従事者がどうあるべきかについて教えていただきました。医療を施すことに満足するのではなく、患者さんが本当に望んでおられるのは何かを患者さんの立場になって考え、最期まで納得のいくサポートをすべきだと思えるようになりました。
◆今回の見学で、これまであまり深く考えていなかった医療の在り方や死について考えさせていただきました。このような素晴らしい見学の機会をいただき本当にありがとうございました。
コールメディカルクリニック福岡 冨岡慎一 先生
福岡県宗像市にある「コールメディカルクリニック福岡」から冨岡慎一先生がご見学に来訪されました。在宅医としてご多忙な中、在宅医療専門医に関する他施設交流研修の機会にあわせてご見学いただきました。積極的に様々なことを吸収されるお姿に、熱い想いを感じました。
見学後の感想(一部抜粋)
◆3日間診療同行をさせて頂きましたが、どの先生方も揃ってとても話しやすく穏やかで、ホスピタリティ豊かな先生方で、患者さんもきっと先生方の雰囲気に安心されるだろうという印象を受けました。看護師さん達も随所に人の良さが滲み出ていて、患者さんも来てもらうだけでも嬉しく感じると思いましたし、実際温かく迎えて頂きました。
◆患者さんにとって最後まで残る「楽しみ」が食べることであるのはよく実感しているので、その分野に力を入れて具体的な品の開発を続けているのはとても素晴らしいと思いました。
◆診療サポートの面では、なんでも相談室の存在が大きいと思いました。地域連携業務を担う看護師やMSWはどこの診療所にもいますが、ゆうの森は人数的にも業務内容的にも相談室の役割がキーになっていて、イベント企画や広報的な仕事までこなしているのがユニークだと思います。
◆オンラインツールは日進月歩だと思いますが、キントーン内でのアプリ開発も含めて業務連携がスムーズに進むシステムを作り出す能力を法人が備えていることにこれからの組織のビジョンを見た気がします。
◆永井先生も時間を十分にとってくださって、法人の理念から最近の取り組み、独立した後の先生方のことなどなど、和やかな雰囲気の中で、他では聞けないたくさんのお話を頂きました。
◆そして、私にとってとても有難かったのは業務サポート室の「おもてなし」です。常に気にかけてくれて、有意義なお話から雑談、雑学まで、色々とお話を聞かせてくださったり、院内を案内してくださったり、夕食のことまで気にかけてくださったり、とても心強く、温かく感じていました。さらに、どのような来客にも同じようなおもてなしをされていると聞いて驚きました。
◆皆さんが貴重な業務時間内の多くの時間を割いて接してくれるのが想像以上で、とても驚きました。一体どうやったらこんなグループになるのだろうというのが率直な感想です。これまでの人生で見学した法人の中でも最優良と言ってもおかしくないと思っています。
医療法人あんず会 杏クリニックの皆さま
平成28年に埼玉県狭山市に開院した、訪問診療を中心としたクリニック「医療法人あんず会 杏クリニック」から院長の鬼澤信之先生をはじめ4名様がご見学に来訪されました。
「住みなれた我が家で自分らしく快適な療養生活を」との想いが感じられ、お互いに良い刺激となりました。
見学後の感想(一部抜粋)
◆職員の方々にもクレドに掲げられた理念が浸透しており、とても親切にご案内いただきました。医師だけではなく同じ方向を向いた多職種が診療を支え、患者さんの安心につながっていることを感じました。
◆理念の共有、考えの共有を当院の課題としていますが、朝礼での議論がそこにつながっているとのことで、当院でも活かしていけたらと考えております。
◆時間に追われる日々の中で、多職種で話し合い、1人1人の患者様の「今後はどのようにしたらより良いのか」を話し合う朝の全体ミーティングの充実した時間は、とても重要であると感じました。
◆たんぽぽのおうちも見学させていただき、入院と在宅のつながりを知ることができました。患者様にとって、とても心地よい空間だろうと思いました。食事のことについても、ムース食の様々な工夫に感動しました。
◆患者様のご家族は、死が近いづいてくると「何かしてあげないと」「点滴もせずに看るだけなんてできない」などの声はよく上がってきます。その気持ちに寄り添うのが優しさだと思っていましたが、患者様ご本人のお気持ちを考えるのであれば、何もしないことも悪いことではないのだと、とても勉強になりました。
医療法人社団 更新会 丸亀林病院の皆さま
香川県丸亀市の旧市街地にある開院60年余りの歴史ある病院から、林事務長様をはじめ4名様がご見学に来訪されました。「地域に在ってよかったと思われる組織、職員が勤めてよかったと思える組織を残したい」との熱い想いを感じました。私たちの取り組みが、さらなる発展の一助になると幸いに思います。
見学後の感想(一部抜粋)
◆永井先生を中心に「患者さんの望む」と「医療を最小限に」の境目を意識し共有されているのだと思いました。当院の大きな課題と感じ、理念・システム・人材を構築したいと思います。
◆「多職種チームの連携・結集が原動力で、どの職種もプロ意識をもって役割を遂行する」これが患者さん・ご家族の人生を支える医療提供の質を上げる相乗効果を生むのだと感じました。
◆朝の全体ミーティングを通して、多職種での情報共有、方針の統一を確認しあえることの重要さに共感しました。
◆患者宅での診療の中で違う医師が訪問していた時の情報も把握できており、患者さんがどんな生活を送っていて、どうしたいのかなど、患者さんに寄り添った治療が行えていることがよくわかりました。疾患に対する治療だけではなく患者さんの生活がより良くなるように考えているのだなと強く感じました。
東京ふれあい医療生活協同組合 梶原診療所 医師 北川隆太様
4月からご実家の診療所(群馬県桐生市)にて在宅医療に携わる予定との事で、ご見学に来訪されました。診療同行や意見交換を通じ、たいへん熱心にご質問いただき、北川先生の優しく謙虚なお人柄に、私たちも学ばせていただいた気持ちです。
見学後の感想(一部抜粋)
◆私が今まで学びたかったことを、沢山学ばせて頂けました。
運営面に関しまして。毎朝の全体ミーティングの濃密さ、段取りのスムーズさ、ICTの活用方法に感動しました。複数医師体制の中で、医療の質を担保するための努力・情報共有をするための努力が必要なことを、改めて感じました。
◆私達が普段行っている診療内容・雰囲気と矢野先生の診療が同じであり、「あぁ、やっぱりこれで良かったんだ!」と、自分の診療スタイルに自信を持つことが出来ました。他の診療所の先生が同じように頑張られている姿を見させて頂くと、こんなにも力が湧いてくるのか、と驚きました。
◆ファーストコールを看護師がされている制度も素晴らしく、医師の負担を軽減しつつ、看護師の負担も軽減(往診希望であれば、基本往診で医師へ伝えるルール)されている点や、看護師も学んで成長する部分など、大変参考になりました。
◆新規の患者に対してソーシャルワーカーと看護師がタッグを組んで福祉・医療両面から対応できること、専属でスタッフを配置されていること、インテークの情報量の多さ、キントーンでの速やかな情報共有や統計、データを見てのマーケティングの判断、各種判断の自立(それによるやりがい)など、本当に多くの学びを得ました。
◆普段自分が行っている診療の意味、何をすべきなのか、改めて原点に立ち返ることが出来ました。と同時に、それを発信するために沢山の写真や動画を残されている努力、それを自分もしなければいけないことを感じました。発信しなければ、知って頂くことが出来ないことを強く意識出来ました。
◆永井先生のお姿を見て、桐生市でやっていく覚悟が改めて固まりました。うまくいくかは分かりませんが、精一杯やってみようと思います。
医療法人ナカノ会 ナカノ在宅医療クリニック の皆様
見学のご様子
1999年に鹿児島県鹿児島市で開業され、たんぽぽクリニックと同様に地域の在宅医療のパイオニアとして尽力されてきたナカノ在宅医療クリニックの中野一司先生はじめ4名様がご来訪され、在宅療養支援のための病床「たんぽぽのおうち」を見学されました。
数年後に、有床診療所として病床の開設を検討されており、建物・設備の構造をはじめ、運営・業務・食支援に至るまでたいへん熱心にご質問いただきました。
新型コロナ感染拡大による延期を経て実現した今回のご見学でしたが、将来の病床開設のご参考になりましたでしょうか。たんぽぽクリニックとほぼ同じ年数、在宅医療に取り組んでこられたナカノ在宅医療クリニックのさらなるご発展の一助となりましたら幸いです。