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日本サービス大賞~ポイントとなる構造~

都市部の医師によるグループ運営と云う形

 本来、診療所は管理者を1人常駐させる必要があるが、当方が運営する場合、1人の医師を転居の上配置することは難しく、公立診療所閉鎖に伴う民間移譲に際し、複数医師体制での運営を開設許認可主体の愛媛県に相談し、「地域医療の火を消さないため」にと云う目的の下、了承を得ることが出来た。
これにより、都市部の診療所と100キロ離れたへき地診療所の一体的な運営が可能となり、医師は生活の基盤を都市部に置き、へき地での勤務を無理なく交代で行えるようになった。もちろん壮年層の子供の教育についての不安も生じない訳である。
具体的には、毎日、担当の医師が松山から移動し、午前の外来診療ならびに午後の訪問診療を実施している。なお医師は曜日ごとで固定し、診療の一貫性ならびに患者の安心に配慮している。

 

24時間365日体制で運営されるへき地診療所

 患者、家族が安心して在宅での療養を継続するには、いつでも往診を受けられる体制が不可欠。24時間365日の対応を可能とするため、勤務の医師は現地での宿泊を行い、その体制維持に努めている。
具体的には、その日の担当の医師が朝松山を出発し、約1時間半掛けて移動。朝一番の松山とのウェブ会議での申送り後、外来診療、訪問診療を行い、夜間は診療所併設の住居に宿泊。翌朝、翌日担当の医師と入れ替わりで松山へ移動。この繰り返しで現地での24時間体制を維持しえいる。
なお、各医師にとって週1度のへき地診療所での外来ならびに訪問診療は、地域で必要とされることを実感できる機会であり、モチベーションのアップにも繋がっている。

 

グループ診療を可能とするICTによる情報と方針の共有

 複数医師によるグループ体制で診療所を運営し、24時間の在宅医療を安定的に継続していくには、情報の共有と診療方針、対応の方向性の統一が不可欠である。電子カルテならびにクラウド型の情報共有ツールの導入やモバイル端末の使用により患者情報や様々な情報の共有を即時的かつ多方向から行っている。
具体的には、毎朝2つの診療所をウェブ会議で繋ぎ、30分の申送りを実施し、情報共有に加え方針と方向性の統一を図っている。
また会議には多職種の全職員が参加し、様々な立場からの意見交換を行い、多面的な関わりができるよう努め、より質の高い患者対応を目指している。

 

へき地医療のビジネスモデル確立

 従前の外来診療だけでは対象となる地域住民の数が漸減する状況下、赤字体質を脱却し経営基盤を安定させることは不可能であり、敢えて火中の栗を拾うには、大胆なシステム変更が必要であった。前述の複数医師体制による運営、ウェブ会議をはじめとするICT活用などがその例であるが、何と言っても肝となるのは、外来診療に加え在宅医療を行うことで新たな診療報酬の柱を立てることである。むろん在宅医療のニーズを顕在化させ具体的なサービスに繋げるためには、患者や家族に、重度患者や看取り期の患者であっても24時間365日の往診体制で安心して自宅で療養できること、訪問看護や訪問リハビリなど訪問診療を補完するサービスで家族の負担を軽減できること等が浸透し、在宅療養へのハ-ドルが下がる環境作りが不可欠であった。
またその他にも収益確保に向けての幾つかの取り組む必要がある。門前薬局の誘致により、医薬品在庫の圧縮を図り、それによる処方担当看護師の本来業務への移行、また外来診療の午前中への集約により、午後を在宅医療に当て、同時に新たに捻出した時間枠での看護師の訪問看護などを行った。
そのような幾つもの方法を用いてへき地でありながら助成金に頼らぬ医療サービスの提供を行うに至っている。

 

組織の一体感に立脚する質の高いサービス

 方針ならびに情報の共有を真に具現化するには、組織の一体感、職員の相互理解が重要で、本院とへき地診療所間の定期的な職員交流やイベント、毎週の理念確認、在宅医療テストや研修を全体で実施し、コミュニケーションを深めている。